ビジネスパーソンの英語コミュニケーションのために

ETNのアプローチ

2.ビジネスコミュニケーション能力の学習目標
「ことば」の能力 - 語彙の学習目標

英単語数は、最重要基本語の2,000ワードファミリーとビジネスでの頻出語の習得が第一目標です。

ワードファミリー(word family)とは、「派生」した言葉も一つの語として数えます。例えば、「creative」「creativity」「creation」「creator」などは同じ語として数えられます。中学校3年間で学習する単語は約1,100〜1,200語ですので、それに加えて1,000語弱の重要語と、それらの派生語や活用語、そしてビジネスでよく使用される語彙を先ずは理解できるようにすること。そして、それらを使えるようにしていく同時に、理解できる語彙の範囲を徐々に広げていく事が目標となります。この「最重要基本語の2,000ワードファミリーとビジネスでの頻出語」という目標は、イギリスの言語学者であるSutarsyah, Nation and Kennedyの研究・調査*1 、神戸大学・大学院准教授の石川慎一郎氏の調査*2 、そして米ブラウン大学のコープスの研究・調査*3から導きだされた結果です。ちなみに「コープス」とは、電子化された言語テキストの集成体・言語データベースのことです。

最重要語2000語のカバー率/語彙習得の目標

イギリスの言語学者によると、1冊の経済学のテキストを調べた結果、最重要語2,000ワードファミリーで82.5%を占めていました。

イギリスの言語学者であるSutarsyah, Nation and Kennedyが調査に使用した経済学のテキストは、総単語数295,294語(重複を含めない場合5,438語)を含んだものでした。実際には、このテキストには最重要語2,000語の全ては使用されておらず、そのうち1,577語が使用されていたそうです。その1,577語に経済学の専門用語636語を含めると、トータル2,213語で全体の91%以上を占めていました。残りの9%弱を占めた語彙は3,225語にもなったそうです。この3,225語は、テキストに使用されていた総単語数5,438語(重複を含めない場合)の約60%も占めることになります。最重要語2,000が理解できれば、大学の経済学のテキストのような難解そうな本でも、その内容のほとんどは理解できることになります。また、その最重要語と経済学の専門用語をのぞいた3,225語は後回しにすべき語、もしくは辞書に任せるべき語であることがわかります。

英ビクトリア大学の経済学テキスト語彙数カバー率(ワードファミリー数)

神戸大学の石川准教授の研究によると、イギリス英語のコーパスを調べた結果、レマ単位2,000〜3,000語で85〜90%を占めていました。

レマ単位とは、文法ルールに則って変化する語(「活用語」)は一つの語として数えますが、「派生語」は含まれません。従って、同じデータベースでも、「レマ単位」で数えた方が、「活用語」と「派生語」も含む「ワード・ファミリー」で数えるより、語数が多くなると考えられます。それでもなお、書き言葉の場合でも2,000語で85%程度を占めています。ちなみに「活用語」とは、例えば名詞・代名詞・形容詞などの「活用変化」(名詞「apology」と「apologize」など)や、動詞の「活用変化」(「sing」「sings」「sang」「sung」「singing」など)などをいいます。また、石川准教授は、話し言葉と書き言葉の違いも調べていますが、下の図から、書き言葉よりも話し言葉の方が、少ない語数でより高いパーセンテージを占めていることがわかります。つまり、話しことばの方が書きことばよりも語彙数が少ないということを示しています。ネイティブも、使える英語の範囲は、理解できる英語の範囲よりも狭いということでしょう。

イギリス英語 International Corpus of English語彙数カバー率(レマ単位)

米ブラウン大学のコーパスを研究した結果、上位2,000〜3,000語(レマ単位)で全体の79〜84%を占めていたそうです。

この調査によると、上位2,000語の占める割合は79%なのに対して、上位2,001語から6,000語までの4,000語の占める割合が10%程度しかない事がわかります。この結果と他の2つの結果からも、最重要語の選択が学習の効率性に非常に大きく影響することがわかります。語彙習得のための教材を選ぶ際は、掲載されている語彙がどのように選定されているかを十分にチェックすることをお勧めします。

米ブラウン大学のコーパス語彙数カバー率(レマ単位)

*1
I.S.P. Nation (2001) “Learning Vocabulary in Another Language”
*2
石川慎一郎(2012)「ベーシックコーパス言語学」
*3
I.S.P. Nation (2001) “Learning Vocabulary in Another Language”
*4
「International Corpus of English」というイギリス英語のデータ・ベースを使用。
ページトップへ戻る
ETNのアプローチ
グローバルビジネスに必要な能力
コミュニケーション能力の学習目標
  • ことばの能力
  • 語彙
  • 文法
  • 発音
  • 流暢さ
  • 社会言語要素
  • ことば以外の能力
英語の効率的な学習アプローチ
  • 効率的な学習アプローチ
  • インプットとアウトプット
  • 基礎からの学習と定型表現
  • 理解 → 記憶 → 自動化
英語を習得できない理由
脳科学的に効果的な学習習慣
英語習得に必要な学習時間
英語学習のための脳科学入門
英語学習のための第二言語習得研究入門
英会話ETNトレーニング法
ビジネス英語定型表現byETN
英語の語源byETN
英語の発音byETN
ETN代表ブログ
facebook
LinkedIn
Google+
Twitter