ビジネスパーソンの英語コミュニケーションのために

ETNのアプローチ

2.ビジネスコミュニケーション能力の学習目標
「ことば」の能力 - 発音の学習目標

発音は、喉と舌と唇の動きをマスターすること。そして単語のストレス(アクセント)、発話のイントネーションやリズムにも気をつけることが大切です。。

第二言語習得研究では、臨界期を境に新しい言語を覚える能力が急速に低下することが知られています。臨界期とは、言語習得能力が格段に低下する時期をいいます。6歳程度という説や、12歳程度など諸説あります。臨界期まで日本語のみを聞いて育ったのであれば、特に発音と聞き取りをネイティブ並に高めようとするのは、脳科学的にみても不可能だと指摘されています*1。しかしながら、なにも発音をネイティブ並に高める必要はありません。ビジネス上の目的を達成するために必要なことを伝えられる発音を習得できれば良いわけです。そしてそれは、大人になってから学習を始めても十分可能です*2。カギは、運動系の習得にはあまり年齢は関係ないということです。自転車が何歳になっても訓練次第で乗れるようになることからも理解できると思います。声は喉と舌と唇の強調した動きによって作られる運動系です。この動きをマスターしないと、正確には発音できません。つまり年齢に関係なく、この動きを練習することによって、日本語にはない英語の発音を習得することは十分可能です。ただし、第二言語習得研究からは、イントネーションやリズムの方が個々の音の発音よりも重要だという研究結果が大勢を占めていますので、発音だけではなく、イントネーション、リズムも意識することが重要です。

発音の学習目標

日本人が英語を正確に発音することが難しいのは、英語には日本語にはない発音が多いことが理由です。

英語は日本語に比べて、子音も母音も発音数が多く存在します。一般的に、英語の子音は24あるといわれているのに対し日本語は16*3、母音は英語20に対し日本語5と圧倒的に英語の方が多いことがわかります。例えば日本人が苦手な発音の代表格である「L」と「R」や、「Si」と「Shi」など、日本語では区別が出来ない子音が多くあります。また、「but」と「bat」は日本語では両方「バット」ですが、英語では全く違う母音です。「hate」や「kite」、「cake」などは日本語には無い二重母音であり、母音も日本語よりも多く存在します。更に、英語には「無母音声」というものがあります。これは子音だけで作られる音で、日本語にはありません。例えば、「cry」は、日本語では、「ク・ラ・イ」と全てに母音が入りますが、英語では子音の連続です。母国語で使われない音は、母国語の似た発音に引き込まれる現象を「マグネット効果」といいますが、日本語を母国語とする人は、「L」と「R」は両方とも日本語の「ラリルレロ」、「Si」と「Shi」は両方とも「シ」、「cry」は全て母音が入ってしまいます。英語は日本語には無い発音が多いため、日本人には正確に発音することが難しいのです。

英語は正確に発音しないと理解してもらえない言語です。正確に発音できない日本人の英語が通じない理由です。

日本語は発音数が少ない言語です。母音に関してはハワイ語に続く少なさだといわれています。従って、同じ発音を使って異なる意味を表す必要性があり、実際そのような語彙が非常に多いことが指摘されています。例えば、「かこう」と発音する単語は日本語にはたくさんあります。「河口」「火口」「加工」「下降」「囲う」「河港」などまだまだあります。つまり日本語の場合は、「話し手」の意図することを正確に理解するために、「聞き手」の想像力が重要になってきます。「かこう」の例でいうと、「話し手」がどの「かこう」のことをいっているのか、「聞き手」が想像しながら聞かなければならず、日本人はその能力も発達しています。一方で英語は、発音数が多いため同じ発音で違う意味を表す必要がなく、実際そのような語彙は日本語と比べても圧倒的に少ないことが指摘されています*4 。つまり英語の場合は、「聞き手」は想像する必要がないかわりに、発音を正確に聞き取る必要があります。「聞き手」は想像する能力は発達していないかわりに、正確に発音を聞き取る能力が発達していることになります。従って英語は正確な発音が重要になります。しかしながら、日本人にとって英語を正確に発音することは非常に難しい。一方で聞き手は何を言おうとしているのかを想像してくれない(想像する能力がない)。だから日本人の英語は通じないのです。日本語は「推測言語」、英語は「技巧言語」といわれる*5所以です。

発音の学習目標

*1
池谷裕二(2008)「怖いくらい通じるカタカナ英語の法則」
*2
Noort M, Nordby H, Bosch P, Hugdahl K, (2005) “Understanding Second Language Acquisition”
*3
日本の言語学者の金田一春彦氏による
*4
佐伯智義(1998)「科学的な外国語学習法」
*5
池谷裕二(2008)「怖いくらい通じるカタカナ英語の法則」
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