ビジネスパーソンの英語コミュニケーションのために

ETNのアプローチ

3.英語の効率的な学習アプローチ
「理解」→「記憶」→「自動化」

③「理解」し「記憶」したことを「自動化」するプロセスは、第二言語習得研究と脳科学研究から導き出された、大人が英語を習得するための最も効率的なプロセスです。

臨界期前の子どもは、無意識的に言語を習得します。一方で大人は、理解して、その理屈を覚え、その学習した知識を何度も繰り返すことによって注意を払わなくても無意識的にできるように「自動化」する必要があります。このプロセスが大人の言語の習得には欠かせないというのが第二言語習得研究の一つの有力な立場です。この学習プロセスは、脳科学研究の立場からも効率的であることがわかっています。その理由説明するために、まずはそもそも大人になってからでも英語の習得が可能なのかということから、脳科学の立場で見てみようと思います。

人間の脳の記憶の容量は歳とともに大きくなるので、年齢に関係なく英語は習得できます。

よく大人になると記憶力が落ちるといわれますが、それは本当でしょうか?確かに、一般的に脳の神経細胞(ニューロン)の総数は歳をとるにつれて減少することがわかっています。1日に数万個単位のスピードで神経細胞は死んでいくそうです。一方で、脳の数百億個のニューロンをつなぐ役割をになう神経回路(シナプス)は歳をとるにつれて増加することがわかっています。つまり、シナプスは年齢を重ねるにしたがって増加し、記憶の容量が大きくなる。記憶力は年齢とともに低下するどころか、向上するという事です!ではなぜ、歳をとると記憶力が落ちたと感じるのでしょうか?主な原因は2つあります。

大人になっても記憶力は落ちない!

大人になると記憶力が落ちたと錯覚するのは、好奇心や探究心が薄れてしまうことが主な原因の1つです。

こちらは余談ですが、スウェーデンの神経生理学者のブリスとレモは、θ波は、シナプスの活動を活性化することを発見しました*1。これは脳内にθ波を発生させれば記憶力が向上するということです。θ波を発生させられるもっとも効果的な方法は、覚えたいものに興味を持つ事。何にでも興味を持つ「好奇心」と「探究心」こそが、記憶にとって非常に重要であると池谷准教授は指摘しています。大人になって記憶力が落ちたと感じる原因の一つは、何事に対しても興味が薄れていくためだといいます。英語を学習する上で、英語自体に「好奇心」と「探究心」を持つことができれば一番効果的だと思います。例えば単語を覚える際、語源を理解しながら覚えることは非常に面白く、探究心をかき立てられる方も多いのでお勧めの方法です。英語自体に好奇心を持つことはなかなか難しいという方は、興味がある題材を通して英語を学習することを考えましょう。

「好奇心」と「探究心」が薄れると記憶力が低下する!

大人になると脳の性質が変化し、得意とする記憶の種類が変化することが、記憶力が落ちたと錯覚するもう一つの原因です。

こちらが本題です。言語を覚える能力は6歳ぐらいまでの幼少期に特に高く、その「臨界期」以降は学習のスピードが格段に遅くなります。「幼少期は、意味の無い文字や絵や音(絶対音感など)に対して絶大な記憶力を発揮するのに対し、歳とともに論理だった記憶能力がよく発達する。つまり、物事をよく理解して、その理屈を覚える能力が高くなる。そしてそのように記憶したことは忘れにくくなる。」と池谷準教授はいいます。つまり、大人になってから第二言語を習得するには、幼少期に言語を習得する課程・プロセスをまねて学習しても効果はあがらないということです。大人は、物事をよく理解して、その理屈や理論を覚えることが重要なのです。そのように覚えたことは応用範囲が広くなるので幼少期の記憶よりも有用性が高いといわれます。ビジネスでの決まりきった言い回し(定型表現)を覚えることも効率的であると説明しましたが、その際にも、ただ単に丸暗記するのではなく、単語や文法構造を完璧に理解して上で覚えることが重要です。

子どもは丸暗記を得意とする「意味記憶」の能力が発達していますが、大人になるとその能力は衰退します。しかしその代わりに、よく理解して理屈を覚えることが得意な「エピソード記憶」が完成します。

脳科学研究の用語を使用して説明します。人間の記憶は大きく分けて長期記憶と短期記憶に分かれており、言語習得に深く関係する長期記憶は更に4つに分かれているそうです。その4つの記憶のうち、掛け算の九九などの頭に詰め込む(丸暗記の)記憶である「意味記憶」と、理論や理屈による記憶である「エピソード記憶」があるそうです。子どもの頃は、意味の無い文字や音などに対して絶大な記憶力(意味記憶)を発揮し、それ以降は論理だった記憶力(エピソード記憶)が発達してきます。歳をとると、丸暗記する「意味記憶」能力が低下する事によって記憶力が落ちたと感じるのですが、一方で理解して覚えるという「エピソード記憶」が発達するので、記憶力が落ちたのではなく、記憶の種類が変わっただけだということです。

子どもと大人では得意とする記憶の種類が異なる

意味記憶もしくはエピソード記憶として脳に保管された情報を無意識的に使えるようにするには、それらの記憶を「手続き記憶化」する必要があります。

人間の4つの長期記憶のうち、意味記憶とエピソード記憶の他に「手続き記憶」という記憶があります。この記憶は、普段なにげなく行っていることをするための記憶です。例えば、自転車の乗り方や泳ぎ方の記憶、母国語で会話するための記憶などです。英語の学習においても、語彙や文法など、エピソード記憶(もしくは意味記憶)として脳に保管された情報(知識)を、無意識的に使えるようにするには、それらの記憶を手続き記憶化する必要があるのです。エピソード記憶(もしくは意味記憶)を手続き記憶化するには、脳は繰り返しを要求します。この、エピソード記憶(もしくは意味記憶)を手続き記憶化することが、第二言語習得研究でいう「自動化」です。第二言語習得研究の一つの有力な立場、つまり「理解」し「記憶」したことを「自動化」するプロセスの重要性は、脳科学研究からも裏づけられることが理解できます。

「自動化」は「エピソード記憶」を「手続き記憶」にすること

*1
池谷裕二(2009)「記憶力を強くする〜最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方」
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