ビジネスパーソンの英語コミュニケーションのために

ETNのカリキュラム

3.ETNのカリキュラムでの具体的な学習方法
語彙

語彙を効率的に習得するために、ETNのカリキュラムでは、ターゲットの語彙を含む簡単な英文を多く読み、聞き、そしてアウトプットすることを重視します。

そして、最重要語を深く学ぶこと、中核的な意味・ニュアンスをつかむこと、そして語源も意識することも注視します。記憶の強化と自動化のための繰り返しは自主学習が中心となります。音声(CD)が付属しており、例文で覚えるタイプの市販の単語集を使用し、意味、スペリング、発音(ストレス・イントネーション・リズムを含む)を意識しながらCDを毎日聞くこと、音読、リピーティング、シャドーイングを行って頂きます。日本人によるTutoringでは、覚える単語が含まれる例文の文法事項の確認や、単語のストレス(アクセント)を意識した発音練習などを行いフォローします。また、ネイティブによるTutoringでは、例文のディクテーションやリピーティングによる発音や流暢さの強化も同時に行います。単語数に関しては、英ビクトリア大学、神戸大学、米ブラウン大学の研究結果に基づいて、先ずは最重要語の2,000語程度をおさらいします。そして、その最重要語を派生語や活用語などで深堀していくと同時に、6,000〜9,000語程度まで語彙を増やしていきます。中核的な意味をとらえたり、最重要語の関連語・派生語を習得するには語源が有効ですが、語源については、ETNのウェブサイトに「今週の語源」として、重要なものを毎週掲載していますので、過去の分も含めて確認して頂きます。

①単語は聞いて覚えること。

脳科学では、目の記憶より耳の記憶のほうが脳に定着しやすいといわれています。耳が不自由な人は、言語の発達が遅いという事実を考えれば理解できます。理由は、「進化の過程で、動物は目よりも耳を良く活用してきたので、耳の記憶は目の記憶よりも強く心によく残る」からだといいます*1。市販の単語集には、CDが付属しているものがたくさん出ています。意味とスペリングを思い浮かべながらCDを聞く方法は脳科学的にも理にかなった英単語の覚え方ということです。更に、聞くことで発音やストレス(アクセント)、例文を聞けばイントネーションやリスニングも同時に学習できます。CDの音声を聞いた後に、意味を思い浮かべながら実際に声に出して発音することも記憶と自動化に効果的があります。

②単語は文脈の中で覚えること。

脳科学は、ものごとをお互いに関連づければ覚えやすくなるという事を明らかにしています。脳内には数百億個のニューロン(神経細胞)があり、それらをつなぐ役割をになうシナプス(神経回路)がありますが、そのシナプスを活性化させると記憶力が向上することがわかっています。人間の脳は、事象と事象が連合されると普通より弱い刺激でシナプスが活性化する性質をもっています。言い換えると、脳は、他の知識と関連づけて物事をよく理解したときだけ、それをしっかり記憶するという事です。東京大学大学院の池谷准教授は、「脳は合理的なので、無意味なことに余分なエネルギーを使わない。理解することは、知識を消化するということ。知識が消化されればその知識を使ってまたさらに多くの事を理解できる。そして数多くの事象が次々と神経回路の中でつながって、さらに記憶力が増強される。*1」と指摘しています。また、米ピッツバーグ大学の白井教授も、単語を文脈の中で覚えるようにすることは、他の知っている単語や、その文章全体の内容などと関連づけることにもなるので、非常に有効な方法であると指摘しています。また、文脈のなかで覚えるもう一つの効用は、単語そのものの意味以外の情報、たとえばコロケーション(前後にどんな単語がくるか)とか、文法情報とかも同時に関連づけて覚えられるということだといいます。

③単語は語源を意識して覚える。

英単語の多くは、語根(Root)と接頭語(Prefix)、もしくは接尾語(Suffix)、またはそれら3つで構成されています。語根は中核的な意味を表し、接頭語と接尾語が付加的な意味を加える形になっています。そのうち、特に語根のもともとの意味を意識して単語を覚えることは、単語を文脈の中で覚えることと同様、ものごとを関連づけて覚えることになります。例えば、「port」という単語はもともとラテン語で「運ぶ」という意味の「portare」を語源としています。そこから英語では「港」という意味を持つようになりました。その語根「port」に、「中に」という意味の「im=in」という接頭語がつくと「import」輸入(運び入れる)、「外に」という意味の「ex」がつくと輸出になります。また、「できる」という意味の「able」という接尾語がつくと「portable」携帯用(運べる)、「人」を意味する「er」がつくと「porter」荷物運搬人(運ぶ人)になります。その他、「report」「transport」「sports」など20以上の単語が「port」という語根から派生しており、更にそれら派生した単語が他の単語に派生します。「transport」(輸送する)の「trans」は「向こうに」という意味の接頭語ですが、「見える」という意味の「parent」という語根につくと「transparent」透明な(向こうが見える)となります。このように「port」という1つの語根を覚えると、同じ語根、接頭語、接尾語をもつ単語を関連させて覚えることができます。

④単語の中核的な意味・ニュアンスをつかむ。

ビクトリア大学ウェリントン校(ニュージーランド)のポール・ネーション教授は、複数の訳語がある場合は、全てに共通する中核的な意味を探す習慣をつけると良いといいます*2。例えば「base」には「台座、軍の基地、支持母体、出発点、野球の塁」などの訳語がありますが、「基盤となる大事な場所」というニュアンスな共通しています。共通点について徹底的に考えることで、単語の意味が残りやすくなるといいます。色々な訳語を関連づけることになるからです。全てに共通する中核的な意味・ニュアンスこそ、ネイティブ・スピーカーがその単語に持っている意味的な感覚なのです。そのようなネイティブ・スピーカーと同じ感覚を持つことが最終的な目標です。単語によって中核的な意味にぴったりくる日本語を見つけるのはなかなか難しい場合があるので、その場合は感覚・ニュアンスをつかむ事が重要です。語根のもともとの意味(語源)を意識するとその感覚・ニュアンスをつかみやすいでしょう。

⑤最重要語を深く学ぶこと。

一定以上の語彙を覚えたら、その後は頻出語の使われ方を深く学ぶ方が効率がよいと主張する言語学者も少なくありません*2。語彙力と読解力の関係を調べた実験では、知っている単語の「数」以上に、語についての知識の「深さ」が読解力と強い相関関係にあったといいます。どんな語や句とセットになりやすいか、どんなニュアンスを持つかなど総合的な知識をつけることが有効と指摘しています。イギリスの言語学者であるSutarsyah, Nation and Kennedyがある1冊の経済学のテキストを調べた結果*3、最重要語2,000ワードファミリーで82.5%を占めていたそうです。そのテキストの総単語数は295,294語だったそうですから、その最重要語は何度も使われていたことになります。しかし、いつも同じ意味やニュアンス、使われ方をしていたわけではないでしょう。最重要語2,000語を覚えたといっても、それぞれの単語の一つの意味・使われ方しか覚えていなければ、82.5%の単語を理解することは不可能でしょう。

⑥多読!

「多読」は、単語を文脈のなかで覚えるという意味でも、最重要語を深く学ぶという意味でも、新たな単語・構文・文法項目を覚えると意味でも非常に有効です。多読とは、簡単にいうと「興味があることに関する簡単な本を徹底的に読むこと」です。関西大学大学院教授(心理言語学・応用言語学)の門田修平氏は、「知らない単語・語句、文法・構文が本全体の2〜3%程度含まれた本を多読することは、前後のコンテキストをもとにした類推により、新たな単語や構文・文法に関する知識を習得する効果も期待できる*4」と指摘しています。また、岐阜聖徳学園大学教育学部の大石晴美教授は、左脳の言語野の血流量を測定する実験の結果、実力より少しだけ難易度の高い教材を読んだとき、脳の血流状態を、新たな知識を最も効率的に取り込める状態(「選択的活性状態」)にできることがわかったと指摘しています*5。また、同じテーマや文体のものばかりを集中的に読む「ナロー・リーディング」も、脳内を選択的活性状態にする効果があったといいます。

⑦覚えようとする単語を使うこと。

雑誌「サイエンス」に掲載された、米パデュー大学のカーピック博士の研究結果によると、「インプットよりもアウトプットを繰り返す方が、脳回路への情報の定着を促進する」といいます。つまり、私たちの脳は、情報を何度も入れ込む(インプット)よりも、その情報を何度も使ってみる、想起する(アウトプット)ことで、長期間安定して情報を保持することができる性質をもっています。覚えようとしている単語を使って実際に自分で文章を作って書いたり、口に出したりして何度も使う(アウトプットする)ことです。

語彙:科学的な学習方法
語彙:ETNのアプローチ

*1
池谷裕二(2009)「記憶力を強くする〜最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方」
*2
ニューズウィーク日本版編集部(2011)「英語超入門 仕事で本当に使える英語を身につける!」
*3
I.S.P. Nation (2001) “Learning Vocabulary in Another Language”
*4
門田修平(2012)「シャドーイング・音読と英語取得の科学〜インプットからアウトプットへ」
*5
大石晴美(2006)「脳科学からの第二言語習得論―英語学習と教授法開発」
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