ビジネスパーソンの英語コミュニケーションのために

ETNのカリキュラム

3.ETNのカリキュラムでの具体的な学習方法
流暢さ

流暢さを向上するために、音読・暗唱・書き写し・ディクテーション・リピーティング・シャドーイング・瞬間英作文、および多読・多聴のうち、学習レベルに応じた適切な方法を都度複数選び、Tutoringおよび自主学習で繰り返し実施することを重視します。

「流暢さ」とは、語彙や文法の知識を実際のコミュニケーションで使えるようにするという意味で、日本人にとって非常に重要なことです。流暢さについても、語彙、文法、定型表現を学習する際に使用する英文を、繰り返し聞く、音読、リピーティング、シャドーイングすることで促進していきます。特にネイティブとのTutoringと自主学習においてこれらを繰り返すことを重視します。また、学習者の適正や好みにより、多読・多聴などを織り交ぜながら流暢さの能力の向上を目指します。

①音読を繰り返すこと。

音読とは、英語の文章を見てそのまま発音することです。門田教授は、①「文字言語を音声言語に即座に正確に変換するトレーニングを繰り返すことにより、文字を音声化することの自動化を促進する」、つまり、文字を見たとき自動的に発音できるようになり、②「意味内容を意識しながら音読することで、語彙や構文などを記憶し、潜在記憶化(自動化)する」、つまり、語彙や構文も無意識的に理解できるようになるといいます。また、音読を繰り返し練習することで慣れてくると余裕が出てくるので、音読と同時に意味内容も把握しながら音読することができるようになります。そうすると新たな語彙の理解や獲得もできるようになります。英エディンバラ大学特員教授の國弘正雄氏は、音読は使える英語を身につけるための基礎回路をつくるのに最適*1であると表現しています。医学博士で脳神経外科専門医の築山節氏は、音読は脳に良いと指摘しています。目で文字面を追っているだけでは理解していないこともありますが、スラスラと音読するためには、ある程度内容が理解できていなければできません。音読は確実な脳の情報処理を促す効果があるといいます*2

②リピーティングとシャドーイングを繰り返すこと。

リピーティングとシャドーイングとは、英語を聞いてそのまま復唱すること。リピーティングは、全文を聞いたあとで復唱することで、シャドーイングは、1〜2語あとに追っかけて復唱することです。門田教授は、このような音声言語を正確に再現するトレーニングを繰り返すことにより、①音声を知覚する(聞き取る)ことの自動化を促進する、つまり自動的に聞き取れるようになり、②意味内容を意識しながらリピーティング、シャドーイングすることで、語彙や構文などを記憶し、潜在記憶化(自動化)する、つまり、語彙や構文も無意識的に理解できるようになるといいます。リピーティングやシャドーイングに慣れてきて自動化が進むと、余裕が出てくるので、復唱と同時に意味内容を理解し、スペリングを思い浮かべたりすることができるようになります。そうすると新たな語彙の理解や獲得にも注意を向けることが可能になります。ノーマン・セガロウィッツ教授(心理言語学)も同様の事を指摘しています。リピーティング、シャドーイングする際、「例文を言うたびにその意味をイメージする訓練が必要。何も考えずに機械的に反復しても、せいぜい発音が自動化されるだけ」といいます。尚、パラレル・リーディングとは、英文テキストを見ながら、聞こえてきた同じ英語の音声を、そのまま後について(同時に)模倣しながら繰り返す練習です。英文テキストを、英語のモデル音声を忠実にまねながら、声に出して音読する練習といってもよいでしょう。いわばシャドーイングと音読をミックスした学習で、シャドーイングおよび音読の土台となるトレーニングとして、門田教授も有効性を指摘しています。

③下の表の①から⑧の脳内の処理を無意識に素早くできるように自動化することができれば、「読む・聞く・書く・話す」全ての言語活動の流暢さを向上させることができます。

尚、「会話」は「聞く」ことと「話す」ことが連続することです。音読・リピーティング・シャドーイング、および暗唱・書き写し・ディクテーション・瞬間英作文は、それぞれ①から⑧のうちいくつかを自動化する効果があり、複数を組み合わせることで①〜⑧の全てをカバーすることができます。

脳内の処理

音読は、書いてある英語の文章を、意味と文法構造を理解しながら声を出して繰り返し読むことで、①文字(単語)を見て、その意味を理解すること、 ②読んだ文の構文や文法構造を解析し理解すること、⑧適切な発音・イントネーションを選び発話することの自動化を促進します。また、意味を理解しながら音読することにより、文の後ろから戻って日本語に訳すのではなく、英文を英文のまま前から理解する能力が向上します。

暗唱は、書いてある英語の文章を、意味と文法構造を理解しながら黙読・記憶し、それを見ないでその英文を声に出して唱えることで、①文字(単語)を見て、その意味を理解すること、②読んだ文の構文や文法構造を解析し理解すること、⑧適切な発音・イントネーションを選び発話することの自動化を促進します。

書き写しは、書いてある英語の文章を、意味と文法構造を理解しながら黙読・記憶し、それを見ないでその英文を書き写すことで、①文字(単語)を見て、その意味を理解すること、②読んだ文の構文や文法構造を解析し理解すること、⑦適切なスペルを選び筆記することの自動化を促進します。

ディクテーションは、英語の文章の音声を、意味と文法構造を理解しながら聞いて記憶し、その聞いた英文を文字に起こすことで、③単語の発音を聞き取って、その意味を理解すること、④聞いた文の構文や文法構造を解析し理解すること、⑦適切なスペルを選び筆記することの自動化を促進します。

リピーティングは、英語の文章の音声を、一文ごとに意味と文法構造を理解しながら聞いて記憶し、その聞いた英文を声に出すことで、③単語の発音を聞き取って、その意味を理解すること、④聞いた文の構文や文法構造を解析し理解すること、⑧適切な発音・イントネーションを選び発話することの自動化を促進します。

暗唱・書き写し・ディクテーション・リピーティングについては、音読に比べて、英文を読んで(聞いて)から声に出す(書き取る)まで時間があります。 そのため、ある程度長い英文を記憶する必要性が出てきます。英文全体を記憶するには、意味と文法構造を理解しないとなかなか英文全体を記憶できませんが、日本語に置き換えてじっくり理解し記憶する余裕がありません(特にディクテーションとリピーティングの場合)。 従って、英文を英文のまま前から理解する能力、そして英文を英文のままアウトプットする能力も向上することが期待されます。つまり、英語に触れたときにいちいち日本語に置き換えるのではなく、また、何か言おうとしたときに脳内で日本語から英語に置き換えるのではなく、英語を英語で直接理解する、または英語で考え英語で発言する自動化も促進すると考えられます。

シャドーイングは、英語の文章の音声を、意味と文法構造を理解しながら、聞いたそばから(1〜2語遅れて)影のように後について声に出すことで、③単語の発音を聞き取って、その意味を理解すること、④聞いた文の構文や文法構造を解析し理解すること、⑧適切な発音・イントネーションを選び発話することの自動化を促進します。シャドーイングは、リピーティングに比べて聞いたことを直ぐに声に出すので、英文を英文のまま前から理解する能力が更に強化されると考えられます。しかしながら、英文を覚える必要がないので、英文を英文のままアウトプットする能力は向上されないと考えられます。

瞬間英作文は、書いてある日本文を、時間を掛けずに口頭で英文にすることで、⑤適切な単語を選ぶこと、 ⑥構文・文法に沿って組み立てること、⑧適切な発音・イントネーションを選び発話することの自動化を促進します。瞬間英作文は、日本文を瞬時に英文に変換する能力は向上しますが、英文を英文のままアウトプットする能力は向上されません。英語で発言する際、まず日本語で考え、それを英語に置き換える処理をする癖がついてしまう恐れがあるので注意が必要です。

「流暢さ」〜「自動化」の方法

④多読!多聴!は、読解と聴解の自動化を促進します。

白井教授は、自分の興味があってよく知っている分野について徹底的に読んだり聞いたりすることを勧めています。リスニングは聞いても20%しかわからないような教材を聞くより、80%以上わかる教材を何度も聞く事。その素材をリーディングにも使う事も有効だといいます。なぜなら、リスニングの時はスピードが早すぎて単語・意味を理解するだけで終わってしまいがちでも、読むときは文法構造まで処理する余裕がでてくるからです。それを何度も繰り返すことにより、読解と聴解の自動化が進むと考えられます。門田教授も徹底的に読む「多読」の有効性を主張しています。多読は、「語彙や構文・文法に関する既存の宣言的知識を、自動化した手続き知識に転化してくれる」つまり、単語を知覚し、心の中の辞書にアクセスして意味を理解し、文法構造を解析するといった読解の処理を自動化してくれます。知らない単語・語句、文法・構文がなく、楽々と意味理解ができるレベルの本を多読する事が「自動化」を促進するといいます。また、知らない単語・語句、文法・構文が全体の2〜3%程度含まれた本を多読することは、前後のコンテキストをもとにした類推により、新たな語彙や構文・文法に関する知識を習得することも可能だと指摘しています。ちなみに、英語教師でもあった夏目漱石も多読を勧めていたそうです。

⑤文の後ろから戻りながら訳す全文和訳はしないこと。

コミュニケーションのための英語を習得するには、日本語に訳して内容を理解する文法訳読方式は効率が悪い習得方法と言わざるをえないと白井教授は指摘しています。泳げるようになりたいのに、腕の動かし方とか、息継ぎの仕方ばかり練習して、実際に泳ぐ練習をしないようなものと手厳しい。一方で、「日本語に訳しながら読むことは、確かに読むスピードは遅くなるが、よほど高度な語学力のある人か、よほど平易なものを読む場合を除けば、頭の中でなんの翻訳行為もしないのは非現実的」と指摘するのはブリガム・ヤング大学(アメリカ)のニール・アンダーソン教授(応用言語学)。ただし、アンダーソン教授は、英文を後ろから前に向かって戻りながら訳す、全文和訳の癖は直すべきとも指摘しています。文を意味や構造の切れ目に沿って数語ずつのかたまりに区切り、一つのかたまりを理解したうえで次に進む習慣をつければ、英語のまま概念を理解できる部分が徐々に増えるといいます。両氏の主張に共通しているのは、後ろから戻り訳す全文和訳は効率が悪いということです。

流暢さ:科学的な学習方法・ETNのアプローチ
流暢さ:ETNのアプローチ

音読やリピーティング、シャドーイング、そして多読・多聴は、流暢さだけではなく、語彙や文法、更に発音の習得にも有効です。

つまり、それぞれの能力を伸ばすことは、他の能力を伸ばすことにもつながります。重要なことは、何のためにその練習をするのかを理解しながらやることです。トレーニングジムで筋力トレーニングをする際、色々な筋肉を鍛えるためにマシンを使ったりしながら様々な方法でトレーニングをしますが、それぞれのトレーニングがどの筋肉を鍛えるものなのかを理解して、その筋肉に意識を集中してトレーニングすると、効果の現れ方が全く違うそうです。英語の学習も同じだと思います。音読にしろシャドーイングにしろ、なぜそれをやるのかを理解してやるのと、理解しないでやるのとでは、モーティベーションも違ってきますし、効果も違ってくると思います。

*1
國弘正雄(2001)「英会話・ぜったい・音読」
*2
築山節(2006)「脳が冴える15の習慣〜記憶・集中・思考力を高める」
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