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公開日:
2020.02.06
更新日:
2021.02.05

データベース|1700 3000 4500 5500の内容・使い方・効果を検証

大人・社会人向け英単語教材として、データベース(DataBase)シリーズを徹底検証する。『DataBase』は【1700】【3000】【4500】【5500】の4種類ある。その全てを丸裸にすることがこのコラムの目的だ。

The English Clubは『DataBase』シリーズを長年使用してきた。その積み重ねてきた経験と知識をもとに、シリーズそれぞれの内容、やり方、効果についてできる限り客観的に、そして徹底的に検証したい。皆さまの英語学習の手助けになれば幸いだ。

『DataBase』シリーズを含む人気の単語帳7種類・23冊を徹底検証したコラム「【英単語帳】社会人におすすめは?人気の23冊を徹底検証!」も参考にしてほしい。

1. データベース|おすすめ度 by The English Club

「【1700】と【3000】は、大人・社会人の初心者の方で、中学英語からおさらいしたい方におすすめだ。最重要語を確認するにはよい単語集。価格は安いが内容は充実している。」

良い点

安い。4種類とも音声がついて千円以下(税別)で購入できる。【1700】はなんと850円(税別)だ。【1700】と【3000】は、安いということに加えて、内容的にも大人・社会人の初心者の皆さまにもおすすめできる。

中学英単語の基礎からしっかりとおさらいしたい方には【1700】を、重要な中学英単語と高校の基礎英単語をおさらいしたい方には【3000】がおすすめだ。両書とも絶対に知っておかなければならない重要語ばかりを掲載しているので、ご紹介するトレーニング方法で、「目」「耳」「口」「手」を使って繰り返し学習して頂きたい。理解できるだけではなく、自分でも使えるようになることを目標にしよう。

付属のCDには、見出し語、日本語訳、フレーズ/例文が収録されているので、単語集を見なくても、聞くだけで単語を覚えることができる。【1700】のフレーズ/例文はかなり遅めのスピードで読まれているので初心者の皆さまにはよいだろう。【3000】はナチュラルに近いスピードで読まれている。

悪い点

おすすめの【1700】と【3000】にも欠点がある。【1700】には、見出し語の使い方の例を示す目的で、フレーズもしくは例文が載っているが、フレーズだと初心者の皆さまには分かりづらい。最初はあまり深く考えずに、「へー」と見ておく程度でよいだろう。また、【3000】には、「つづりと発音」「語源」についてのコラムも掲載されているが、初心者の皆さまは無視して構わない。長文の内容がつまらないという欠点もある。

【4500】と【5500】は大学受験が色濃く出ているので、大人・社会人の皆さまにはおすすめできない。せっかく苦労して覚えても、出会ったり、使ったりする機会が全くないので忘れてしまう単語が多いからだ。【1700】もしくは【3000】を終了したら、他の単語集に移行することをおすすめする。

The English Clubの評価は、【1700】と【3000】は、3.5/5.0。【4500】と【5500】は、2.0/5.0。あくまで大人・社会人向けの単語集としての評価だ。

2. データベース|4種類の単語レベル

4種類のDataBaseの、それぞれの単語レベルは以下の通りだ。本書に記載されているものの一部を転記した。

なお、下記の通り、DataBaseは、4種類とも主に高校生向けに作られた単語集だ。しかし、このコラムでは、社会人向けという観点から、このDataBaseシリーズの内容を検証する。

DataBaseシリーズ 単語レベル
DataBase1700 使える英単語・熟語 (3rd) 中学校で学ぶべき英単語・熟語から、高校での基礎的な学習で必要となるものまで(…)。
DataBase3000 基本英単語・熟語 (5th) 必ず身につけておきたい中学英単語・熟語から、センター試験も考慮に入れた高校での学習で必要となるものまで(…)。
DataBase4500 完成英単語・熟語 (5th) 国公立大・私立大入試対策を視野に入れ、(…)。高校必須の単語・熟語から入試問題まで(…)。
DataBase5500 合格英単語・熟語 難関大学入試の基本語から合否の分かれ目となった重要語まで(…)。

3. データベース|4種類に共通する宣伝コピー

DataBaseシリーズは4種類あるが、【5500】のみ、他の3つと異なっている。それは、【1700】が3rd Edition、【3000】と【4500】が5th Editionと進化しているにもかかわらず、【5500】だけが初版(2003年)のまま変わっていないことが理由だろう。

したがって、ここでは【5500】を除き、【1700】【3000】【4500】の3種類に共通して記載されている宣伝コピーをご紹介する。

選び抜かれた単語・熟語

レベル別・テーマ別の効率的な配列:本書全体をレベル別に6段階に分け、レベル内でテーマ別に単語・熟語を提示しています。

赤シート学習が可能:英↔︎和の双方向でチェック可能です。

情報マーカーを充実:注意すべきポイントを独自のマーカーで明示しています。

耳から学習:付属のCD-ROM(【1700】はCD)には、「発音記号をマスターする」の音声と、全見出し語と意味、例文の音声が入っています。

4. データベース|4種類の個別の宣伝コピーと内容

データベース4種類のそれぞれの宣伝コピーと内容を、記載されているままご紹介する。

4.1. 「DataBase 1700 使える英単語・熟語 3rd Edition」の宣伝コピーと内容

英単語DataBase1700

CD付属 桐原書店編集部(編)[桐原書店]¥850+税

4.1.1. 「DataBase 1700」の宣伝コピー

• 精選された英単語・熟語:本書では、新課程において中学校で学ぶべき英単語・熟語から、高校での基礎的な学習で必要となるものまで、基本英単語約860と熟語130、会話表現70を見出し語として選びました。新教育課程の中学校の教科書を分析し、中学校を卒業したみなさんがそれぞれの単語をどれくらい知っているか、というめやすが見出し語の下に5段階で表示されています。

• 全見出し語・熟語に例文・フレーズが完全対応:Level 1-4はフレーズを中心とした学習、Level 5-6では例文を中心とした学習になっています。

• 場面別によく使われる会話表現のページを収録:よく使われるごく基本的な会話表現を、11のテーマ、22の場面別にまとめて、対話文形式のコーナー「Dialogue」として設けました。

4.1.2. 「DataBase 1700」の内容

Level 1【1〜175】(p.21)
単語
基本動詞①【go】②【come】
身につけておきたい熟語①
Dialogue①【あいさつする】②【紹介する】
絵で覚える英単語①【顔と体】

Level 2【176〜349】(p.57)
単語
基本動詞③【give】④【get】
身につけておきたい熟語②
Dialogue③【道順をたずねる・確認する】④【電話での会話】
絵で覚える英単語②【身につけるもの】

Level 3【345〜525】(p.93)
単語
基本動詞⑤【take】⑥【have】
身につけておきたい熟語③
Dialogue⑤【店で】⑥【レストランで】
絵で覚える英単語③【家】

Level 4【526〜708】(p.129)
単語
基本動詞⑦【keep】⑧【make】
身につけておきたい熟語④
Dialogue⑦【病院で】⑧【友人と出かける】
絵で覚える英単語④【街】

Level 5【709〜884】(p.165)
単語
基本動詞⑨【bring】⑩【put】
身につけておきたい熟語⑤
Dialogue⑨【旅行に行く】⑩【教室で】
絵で覚える英単語⑤【食べ物】

Level 6【885〜1066】(p.203)
単語
絵で覚える前置詞①②
Dialogue⑪【家で】
身につけておきたい熟語⑥
絵で覚える英単語⑥【家族】

4.2. 「DataBase3000 基本英単語・熟語 5th Edition」の宣伝コピーと内容

英単語DataBase3000

CD付属 桐原書店編集部(編)[桐原書店]¥950+税

4.2.1. 「DataBase 3000」の宣伝コピー

• 精選された高校英単語・熟語:本書では、必ず身につけておきたい中学英単語・熟語から、センター試験も考慮に入れた高校での学習で必要となるものまで、基本英単語約1,600と熟語約300を見出し語として入念に選びました。単語・熟語の選定は、中学の全教科書と主要な高校英語の教科書をよく調べ、また近年のセンター試験のデータ分析も活用して行っています。

• 全単語・熟語に例文が完全対応:右ページに、すべての見出し語に対応する例文をつけました。

• レベル別長文:各レベルの最後に、そのレベルで学習した語いが約20入った長文が用意してあります。

4.2.2. 「DataBase 3000」の内容

Level 1(p.11)
単語:1〜266
イラストで覚える前置詞①〜⑤
レベル別長文1
コラム:つづりと発音の関係①
付録:家族

Level 2(p.67)
単語:267〜548
基本単語を用例でつかもう①〜⑥
レベル別長文2
コラム:つづりと発音の関係②
付録:体・顔・季節・月・曜日

Level 3(p.127)
単語:549〜820
基本単語を用例でつかもう⑦〜⑩
身につけておきたい熟語①〜⑤
レベル別長文3
コラム:語根・接頭辞・接尾辞①
付録:数

Level 4(p.181)
単語:821〜1151
身につけておきたい熟語⑥〜⑨
レベル別長文4
コラム:語根・接頭辞・接尾辞②
付録:食べ物

Level 5(p.237)
単語:1152〜1493
身につけておきたい熟語⑩〜⑬
レベル別長文5
リスニングのために覚えておきたい語句140

Level 6(p.297)
単語:1494〜1850
身につけておきたい熟語⑭〜⑱
入試英文から〜センター試験〜
センター出現率上昇中の注目キーワード60

4.3. 「DataBase4500 完成英単語・熟語 5th Edition」の宣伝コピーと内容

英単語DataBase4500

CD付属 桐原書店編集部(編)[桐原書店]¥990+税

4.3.1. 「DataBase 4500」の宣伝コピー

• 厳選された英単語・熟語:国公立大・私立大入試対策を視野に入れ、英単語1,725とえい熟語348を見出し語として入念に選びました。英単語・熟語の選定は、主要な高校英語の教科書を調査し、また長年にわたる主要な大学の入試問題分析の結果も活用しています。

• 全単語・熟語に例文が完全対応:右ページに、すべての見出し語に対応する例文を掲載しました。

• 入試長文で確認できる/入試問題を実際に解く:過去に実際に出題された入試長文の抜粋を掲載しました。/過去に実際に出題された入試問題を掲載しました。

4.3.2. 「DataBase 4500」の内容

Level 1 入試への足固め (1)(p.13)
単語:1〜262
基本動詞を含む頻出熟語:263〜350
長文読解
実践問題
実践問題 日本語訳と解説

Level 2 入試への足固め (2)(p.77)
単語:356〜608
基本動詞を含む頻出熟語:609〜689
長文読解
実践問題
実践問題 日本語訳と解説

Level 3 中堅大対策 (1)(p.139)
単語:690〜954
基本動詞を含む頻出熟語:955〜969
押さえておきたい頻出熟語:970〜1027
長文読解
実践問題
実践問題 日本語訳と解説

Level 4 中堅大対策 (2)(p.201)
単語:1028〜1287
基本動詞を含む頻出熟語:1288〜1303
ここで差がつく頻出熟語:1304〜1370
長文読解
実践問題
実践問題 日本語訳と解説

Level 5 難関大対策 (1)(p.261)
単語:1371〜1632
ここで差がつく頻出熟語:1633〜1655
注意すべき多義語:
長文読解
実践問題
実践問題 日本語訳と解説

Level 6 難関大対策 (2)(p.335)
単語:1656〜2073
注意すべき多機能語
覚えておきたい接頭辞
覚えておきたい接尾辞
長文読解
実践問題
実践問題 日本語訳と解説

4.4. 「DataBase5500 合格英単語・熟語」の宣伝コピーと内容

英単語DataBase5500

CD付属 桐原書店編集部(編)[桐原書店]¥950+税

4.4.1. 「DataBase 5500」の宣伝コピー

• 合否のカギを握る単語・熟語を精選:難関大学入試の基本となる単語・熟語から、合否の分かれ目となった単語・熟語まで、単語約1440と熟語約320を見出し語として入念に選びました。

• 全単語・熟語に例文が完全対応:右ページに、すべての見出し語に対応する例文をつけました。

• 入試問題の焦点がわかる「入試のカギ」:「入試のコア」では、「読解のカギ」「下線部訳のカギ」「類義語のカギ」「空所補充のカギ」のように、入試問題での問われかたに応じて見出し語を分類しました。例文は原則として入試問題から引用し、出典大学を明示しました。

4.4.2. 「DataBase 5500」の内容

Level 1(p.7)
単語「入試への登竜門」(1〜300)
熟語「入試の基本となる熟語」(301〜379)

Level 2(p.73)
単語「入試のコア (1)」(380〜736)
「テーマで覚える英単語 (1)」(737〜777)
熟語「入試で狙われる熟語 (1)」(778〜856)

Level 3(p.167)
単語「入試のコア (2)」(857〜1208)
「テーマで覚える英単語 (2)」(1209〜1258)
熟語「入試で狙われる熟語 (2)」(1259〜1337)

Level 4(p.265)
単語「最後のビルドアップ」(1338〜1637)
「テーマで覚える英単語 (3)」(1638〜1672)
熟語「最後に差をつける熟語」(1673〜1755)

5. データベース【1700】の学習効果分析

英単語DataBase1700

「DataBase1700 使える英単語・熟語 3rd Edition」の内容・やり方・効果について検証する。

5.1. データベース【1700】とは?

「高校を卒業してから全く英語を勉強していない。」そして「学生時代英語は苦手だった。」という大人・社会人の方はこの【1700】から始めることをおすすめする。

この【1700】には、英単語だけではなく、品詞の説明、文の要素、人称代名詞、動詞の活用、発音記号、基本的な会話など、初心者の皆さまの「最初の一歩」に必要なことが凝縮されているといっていいだろう。

5.2. 中学英単語からおさらいした方におすすめ!

英語は最重要語2,000語で約80%をカバーできる。この【1700】には、その最重要語が凝縮されているといっていいだろう。市販されている多くの単語集は、このような【超重要語】を省いているものが多いが、実はこれらの単語が最も重要なのだ。決してあなどらないでじっくりとおさらいして頂きたい。

また、「go」や「come」などの最重要動詞は、後ろに副詞や前置詞(「on」や「in」など)がついて色々な意味に変化するが、この【1700】にはそれらもまとめて丁寧に説明している。

5.3. フレーズが初心者には分かりづらい

Level 1-4には、見出し語を使用したフレーズ(一部例文)が記載されているが、初心者の皆さまには分かりづらいものが多い。例えば、「condition」のフレーズとして、「in good condition」(よい状態で)と掲載されているが、「in good condition」をどのように文中で使うのかわからない方も多いだろう。「This car is in good condition.」のような例文であれば使い方も学べる。

Level 1-4は、最重要語ばかりなので、フレーズはあまり気にせず、日本語の訳語を一つ一つ覚えていくことに集中した方がよいだろう。

5.4. 例文はビジネスパーソン向けではない

Level 5-6(およびLevel 1-4の一部)では、見出し語を使用した例文が掲載されているが、これらは一般的な例文が多く、ビジネスで使える例文は少ない。基本、この【1700】は中学・高校生向けなので致し方ない。

しかし、英単語を例文で覚えることは、第二言語習得研究からも脳科学研究からも効率的な学習方法だと言われているので、是非活用して頂きたい。

5.5. 会話表現の例も入門用としてGood!でも不親切な部分も

22の場面での基本的な会話表現(日常会話)が掲載されている。初級者の皆さまには入門用としておすすめできる。英単語学習の途中にこのような会話表現を学べることは、よい息抜きにもなるだろう。

ただし、単語や文法の説明が全くない。フレーズを丸ごと覚えることが目的なのだろうが、やや不親切な部分を感じる。例えば、「It’s been a long time」(久しぶり。)というフレーズが載っているが、「It’s」が「It has」だという説明もなければ、「It’s been」が現在完了形だという説明も一切ない。

ちなみに、CDの収録されている会話音声のスピードは、ナチュラルスピードに比べてかなり遅めなので、初級者の皆さま向けだ。

5.6. 「耳から学習」もおすすめ!

付属のCDには、見出し語と意味が収録されているので、本書を開けないところでも、聞くだけで単語が覚えられる。単語を覚えるときは、「目」だけではなく、「耳」や「口」、「手」を使って体全体で覚えると脳に定着しやすい。是非、「読んで」「聞いて」「発音して」「書いて」覚えていって頂きたい。

単語を覚えるときは、意味だけではなくアクセントの位置も一緒に覚えることも重要だ。英単語はアクセントの位置を間違えて発音すると理解してもらえないことが多い。また、リスニング力にも直結するので、音声を聞きながら、そして自分で発音しながら覚えていこう。

CDには発音記号の説明音声も収録されているので、こちらも是非活用して頂きたい。発音記号というとちょっと難しそうに感じるかもしれないが、大部分がアルファベットと同じなので、覚えなければならないものはそれほど多くない。発音記号を知っていると、今後の英語学習の効率性が格段に上がるので、是非この機会にトライしてみてはどうだろうか。

6. データベース【3000】の学習効果分析

英単語DataBase3000

「DataBase3000 基本英単語・熟語 5th Edition」の内容・やり方・効果について検証する。

6.1. データベース【3000】とは?

「英語は、中学・高校の時はそれなりにちゃんと勉強したが、それ以来全くやっていない。」という大人・社会人の方はこの【3000】から始めることをおすすめする。

【1700】に掲載されているうちの超重要語を省き、高校で習う基礎的な単語を加えたイメージの単語集だ。センター試験をターゲットとした高校生向けに作られた単語集だが、大人・社会人の皆さまも絶対に知っておかなければならない単語ばかり掲載されている。

【1700】と同様、「go」や「come」などの最重要動詞の色々な使われ方もまとめられているが、ほぼ【1700】と同じ内容だ。

【1700】と重複する部分も多いので、【1700】をさらっと終わらせてから、この【3000】で復習しながら、更に上を目指すという使い方もできそうだ。

6.2. 例文はビジネスパーソン向けではない

高校生向けの単語集のため、【1700】同様、ビジネスで使えそうな例文の掲載は少ない。しかし、どの例文も基本的なものばかりなので、是非例文で単語を覚えていって頂きたい。

「Everything I said is true.」など、この単語集で学習する方にとってはわかりにくい文法を含む例文もあるが、それらは無視しても構わない。

6.3. 前置詞の感覚を学べる

この【3000】では、「at」や「for」などの30個の前置詞を、計10ページに渡って説明している。前置詞は日本語に訳しにくいので感覚で覚えることが重要だが、イラスト付きなので、初心者の皆さまにもわかりやすいだろう。

ちなみに【1700】に掲載されていた「会話表現」は、この【3000】には掲載されていない。

6.4. 長文の内容はつまらない

各レベルの最後に掲載されている長文の内容は読むに耐えない。高校生向けとしても、あまりにひどい内容だといっていい。無視して構わない。

6.5. 「つづりと発音」「語源」のコラムは無視していい

各レベルの最後に、「つづりと発音の関係」と「語根・接頭辞・接尾辞」の解説が「コラム」として掲載されているが、これらは興味がなければ無視して構わない。

これら2つのことは確かに重要だ。しかし、この【3000】を使用する皆さまにはもっと重要なことは沢山ある。単語については、まずは例文で単語を覚えることに集中して頂きたい。

6.6. CD-ROMを活用して耳で覚えよう

付属のCD-ROMには、単語と日本語の訳語、そして例文が収録されている。例文の音声は、ナチュラルスピードに近い速さで話しているので、リスニング力の強化にもつながるだろう。

脳科学研究から、「目」の記憶よりも「耳」の記憶の方が心に残ると言われているので、是非活用して頂きたい。

7. データベース【4500】の学習効果分析

英単語DataBase4500

「DataBase4500 完成英単語・熟語 5th Edition」の内容・やり方・効果について検証する。

7.1. データベース【4500】とは?

【4500】は大学受験用という色がはっきりと出ている単語集だ。大人・社会人の方向けではない。その理由を説明する。

7.2. 覚える必要のない単語が少なくない。

【4500】には、大人・社会人として覚えなくてもよいと判断できる単語が少なからず掲載されている。これは、本書が大学受験用に作られた単語集だからだ。【1700】や【3000】は基本の単語ばかりが掲載されているため、ビジネスパーソン用にもおすすめできる。しかしながら、難易度が上がってくると、目的によって必要となる単語が異なってくるので気を付けなければならない。

例えば、「785. delinquent(非行の)」や、「1270. chloride(塩化物)」は、8,000語を頻度順に並べた「JACET8000英単語」には掲載されていない。(「chloride」は、その関連語である「chlorine(塩素)」は掲載されているが、8000語中、7718番目。)また、「1784. mischief(いたずら)」 や「1939.porcelain(磁器)」も「JACET8000」では7000番代で、重要度は低い。常識的に考えても、これらの単語が必要な大人・社会人は非常に限られるといえるだろう。

「JACET8000英単語」とは、「British National Corpus」という言語データベースを基に、アメリカ英語などのデータを加味した、使用される頻度が最も高い順番に8000語を並べた単語集だ。この単語集にも問題がないわけではないが、現在手に入る中で、最も信頼できる語彙リストといっていいだろう。

ちなみに、覚える単語の選別には十分に気を配って頂きたい。英語学習の効率性に大きく影響するからだ。もっとも頻繁に使用される2,000の英単語で約80%をカバーできることが多くの言語学者の研究によって知られているが、2,001語目から8,000語までの6,000語では、たったの9%しかカバーしないのだ。間違っても、初心者であれば、10,000番目の単語を一生懸命に覚えるようなことは避けたい。

英語の単語数についての詳細は「英語の単語数は2000語で80%|数より質で効率的に語彙力強化!」を参考にして頂きたい。

7.3. 大学入試の長文と穴埋め問題を今更できますか?

【4500】は大学受験用の単語集だ。過去の大学入試に実際に出題された長文や、穴埋め問題も掲載されている。そして、それらの問題で高得点をとるための単語集なので、大人・社会人向けではない。

英語は目的によって学習方法が異なる。大学受験の英語は「日本の使えない英語教育」の集大成だ。多くの大人・社会人の英語学習の目標は、「英語で自由にコミュニケーションと取れるようになること」だろう。もしそうであれば、日本の学校教育のやり方ではその目標は達成できない。

8. データベース【5500】の学習効果分析

英単語DataBase5500

「DataBase5500 合格英単語・熟語」の内容・やり方・効果について検証する。

8.1. データベース【5500】とは?

【5500】は難関大学受験用の単語集だ。大人・社会人が手を出すものではない。受験用としても、このような単語集が存在すること自体が筆者には信じられない。

8.2. 覚える必要のない単語だらけ

【5500】には、大人・社会人として覚える必要のない単語が数多く掲載されている。

例えば、「0907.fluorescence(蛍光)」「0967.sterililze(不妊にする)」「1016.enzyme(酵素)」「1031.metaphysics(形而上学)」「1220.euthanasia(安楽死)」「1256.ethnocentrism(自民族中心主義)」などなど。

一生懸命に覚えても、見たり、聞いたり、使ったりする機会が全くないため、結局忘れてしまう単語だらけである。

ちなみに、本書は2003年に初版が発行され、今でも販売されている難関大学受験用の単語集だが、今の大学受験生が本当にこれらの単語を覚えさせられているとしたら、日本の英語教育はやはりおかしいと言わざるを得ない。これらの単語を知っていても、簡単なコミュニケーションもできないのであれば本末転倒だろう。

「日本の使えない英語教育」の一端が本書で見て取れる。

9. データベース|おすすめ使い方 by The English Club

ここで取り上げたデータベース4種類のうち、【1700】と【3000】のおすすめ使い方をご紹介する。

ご紹介するのは、The English Clubで「自動化トレーニング」を呼んでいる方法だ。自動化トレーニングは全部で22種類のトレーニングがあるが、そのうち単語学習に適した7種類についてご説明しよう。

データベース自動化トレーニング8選

上記の7種類のトレーニングをそれぞれ個別に行なっても効果はある。しかし、組み合わせて行なうことによって更に効果を高めることができる。7種類を組み合わせたトレーニングの流れは以下の通りだ。

データベース自動化トレーニングの流れ

順番にやり方をご説明しよう。

9.1. リスニング(Listening)

付属のCD(CD-ROM)の単語、日本語の訳語、フレーズ・例文を、テキストを見ずに2〜3回聴いてみる。どれくらい理解できているか確かめること。

9.2. アイ・シャドーイング(Eye-Shadowing)

今度はテキストを見ながら聴いてみる。意味(内容)はもちろん、発音(必ずアクセントの位置にも注意すること!)を意識して繰り返し聴いてみる。

9.3. 音読(Reading-aloud)

単語毎のフレーズ・例文の意味と文の構造(文法)を、音読しながら確認する。わからないところは辞書や文法書で確認する。

9.4. リップ・シンク(Lip-sync)

テキストを見ながら聴き、音声にぴったりと合わせるように唇を動かしてみる(口パク)。スピードを体感することと、発音を確認することが目的。慣れてきたら、意味(内容)を意識して再度繰り返す。(日本語も口パクすること。)

9.5. オーバーラッピング(Overlapping)

上記のリップ・シンクの要領で今度は声を出してみる。スピードについていけるようになるまで何度も繰り返す。スピードに慣れてきたら、意味(内容)を意識して再度繰り返す。(日本語もオーバーラッピングすること。)

9.6. 音読(Reading-aloud)

単語、フレーズ・例文をスムーズに言えるまで音読する。その際、意味を意識しながら行うこと。そして、発音、アクセントの位置、イントネーションに加えてスペルも意識しよう。発音の方法が曖昧な場合はリップ・シンクに戻る。

9.7. ルックアップ&セイ(Look-up & Say)

フレーズ・例文を黙読し、顔を上げてテキストから目を離し(Look-up)、暗唱(Say)してみる。必ず意味を意識して行うこと。慣れてきたら発音を意識して何度か繰り返す。

9.8. シャドーイング(Shadowing)

単語、フレーズ・例文のシャドーイングを繰り返し行なう。シャドーイングとは、テキストを見ないで、音源の1〜2語あとを追っかけて発音していくこと。意味と発音を意識しながら繰り返し行なう。

慣れてきたら、音読とシャドーイングのみを繰り返しやろう。なお、自動化トレーニングの詳細については「英語トレーニング|4技能を独学で習得する科学的自主トレ22選!」を参考にして頂きたい。

 

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執筆者プロフィール
小柳 恒一
  • 1999年ロンドン大学大学院ロンドン・ビジネス・スクールにてMBA取得。1997年TOEFL630点取得。2003年TOEIC990点取得。2004年米国公認会計士試験合格。2010年4月中小企業診断士登録。
  • 2000年よりリーマン・ブラザーズ等にて13年以上M&Aのアドバイザリー業務に携わる。
  • 2010年より中堅・中小企業を対象とした事業継承M&Aコンサルティング事業を開始。
  • 2013年よりThe English Clubの前身となるEnglish Tutors Network事業を開始。
英語は学習方法で決まる。
徹底して科学的根拠にこだわったThe English Clubの英語学習法は、
今までにない効率的な英語習得を目指します。

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